カンボジアでも旱魃の恐れ!

2015年7月19日

7月になるとカンボジアも例年は雨季本番に入り、週に何回もスコールが来きますが、今年はまだ雨季が本格化しません。

不幸なことに、先日の記事エルニーニョ現象でカンボジアが水不足!で書いた日本の気象庁予測「今年は秋までエルニーニョ現象が続く」が当たりそうな雲行きです。

エルニーニョ現象のために、東南アジア全域で雨季に入っても雨が降りません。下は、東南アジアの降雨量。
雨季本番のはずなのに、この領域内では殆ど降りません。

お隣のタイでも、水不足のために稲が作れないとか、ダムの水が干上がって水道が出なくなる恐れがあるという話が聞こえてきます。

また、タイのある県では、猫を籠に入れて水を掛けながら長時間練り歩く雨乞いの風習があるが、今年は動物虐待を避けるため、雨乞いの時に猫の代わりにドラえもんの人形を入れたので効果が無かったなどとも言われているそうです。

さて、東北部Kratie州にある弊社のキャッサバ農園や天然ゴム農園でも、4月末から5月にかけてキャッサバの苗を植えましたが、植付後10日間も雨が降らないケースもあって、一部の区画では半数の苗が枯れてしまいました。

枯れた苗は、上の写真のように取り除いて、再度植付をします。下の写真は6月末に再植え付けした苗が芽を出してきている様子。本来数十センチにはなって葉を茂らせているはずなのですが。。

一方で、4月末に植えて、直後に雨があって苗が枯れず再植え付けをしなかったものは、既にかなり大きく育っています。(下の写真、人の背丈ほどになっているものもある)

雨がタイムリーに降ってくれるか否かで、このように全く結果が違ってきてしまうのです。

今年は、昨年の収穫量不振から脱却するために、育成方法の不具合を洗い出して、施肥、除草、水害対策等育成方法を全面的に見直しました。その甲斐もあって、植付直後にある程度でも雨が降った場合は、昨年以上に良く育っており、昨年来の単収目標に届く勢いです。

このように、人間の手で出来る努力はしてきてある程度の効果は上がったところですが、雨が降らないだけでその努力が無になってしまいますので、やはり自然には勝てません。

エルニーニョ現象が続き、これ以上雨季の本格化が遅れれば、旱魃になりかねません。
雨の間隔が長引いた場合は、全部は無理ですが一部でも灌漑を行うような人間サイドでできる限りの対応を考えざるを得ませんので、お天道様の様子に目が離せません。