2014年6月18日
弊社のキャッサバ・プランテーションでの苗の植え付けは、害虫大発生、水害、雑草、ワーカー不足等で足を引っ張られながらも何とか徐々に前進し、現在全250ヘクタール中185ヘクタール(約75%)完了まで漕ぎ着けました。
我々の農地は、Land A、Land Bの2か所に分かれそれぞれ100ヘクタール、150ヘクタールを植え付けます。
以下は、Land A、Land Bそれぞれの進捗を表したものです。小さなマス目が1ヘクタールの場所を表します。マス目に緑色の〇が付いているところが植え付け完了です。
(Land A)
(Land B)
Land Bはほぼ完了し、残りはLand Aです。
ところで、一口に苗の植え付けと言っても、苗をただ植えるだけの1段階のみの作業ではありません。以下の段階を踏みます。
1.我々の土地は以前は森林だったので、森林伐採、抜根後に木を撤去し木材にならない部分は燃やす。
2.トラクターで2回耕作する。この時笹の除去のために3Disk(円盤3枚の耕作機)を2回使う。
3.大小の木片や根が残っているので、この木片をトラクターの後ろに13本のかぎ爪をつけたもの(リッパ-)で掻き集めたり、人手で拾ったりして除去する。下の写真は2回のトラクター耕作後に大量の木片が残っている土地です。この木片は除去が必要です。
4.トラクターで畝を作る
5.畝の頂上に苗を植える。 但し、これで終わりではありません。
6.植え付け後1週間後に確認し、芽が出ていない苗は新しいものに取り替える、(Replant)
以上の作業手順を全て踏んで初めて植え付けが完全に終わったと言えるのです。
さて、苗の植え付けには期限があります。収穫時期が来年2-3月と決まっている関係上、早く植えれば早く植えるほど長期間にイモが大きく育つのですが、それだけではなく、天気との関係もあります。
我々の農園があるKratie州Kratie郡では7月半ばになると雨がほぼ毎日降りますが、そうなると日照の関係で折角植えた苗の育ちが極端に遅くなります。少なくとも連日雨になる2週間前までに植えれば、苗は何とか順調に育つと言われています。つまり6月末がデッドラインで、それまでに植え付けを完了する必要があるのです。
デッドラインまであと約2週間、植え付けも競馬の第4コーナーを回って最後の直線でムチが入る状態になってきました。
ここに来ての植え付けのボトルネックは、上記2.のトラクターによる2回目の耕作です。何しろ1週間に2-3回もスコールが降るために、地面が緩んでトラクターの車輪が空回りして中々進まないのです。
当初は、笹を殺すために2回目のトラクター耕作は深く耕せる3Disk(円盤3枚)の耕作機で行う予定でしたが、深く耕そうとすると土の抵抗が大きくて車輪が空回りするので、浅く耕す7Disk(円盤7枚)の耕作機に切り替えました。
しかし、この7Diskでもスコール当日や翌日には車輪が空回りして、中々進みません。
そこで、現在は4台あるトラクターの台数を増やそうと近隣を探し回っていますが、中々見つかりません。丁度米作で必要なシーズンに当たっているのと、耕す面積が小さくて貸しても商売にならない、云々色々理由がありますが。
第4コーナーでムチを入れるために、現在はかなり遠方も探しています。
また、トラクターの車輪が地面をグリップする力を増やすために、後輪を2つ付けてダブルタイヤにすることも検討します。但し、写真の白矢印の側のタイヤをダブルにすると、折角耕作した場所をタイヤで踏んでしまうので、こちら側はダブルにしません。1か所だけをダブルにする変則的なやり方です。
このやり方をカンボジア人のトラクター屋に提案したところ、考えられないと言われました。現在説得中です。
ところで、既に植え付けを完了した185ヘクタールはどうなっているかと言いますと、このうち約120ヘクタール強は非常に順調です。下の写真は4月の初期に植えたもので、約50cmの高さにまで育っています。
残りの60ヘクタールは、水害や雑草との戦いの戦場になっています。激しいスコールによる水害や雑草は我々が苗の植え付けを終わるまで待っていてはくれません。本当に自然相手は厳しい、と実感しています。
次回は、その水害や雑草との戦いについてもっと詳しくレポートする予定です。
<追記>
弊社のキャッサバ農園の苗植え付けが75%終わり、6月末のデッドラインを目指して競馬の第4コーナーを回ったところだとレポートしました。
しかしながら、スコールの回数が増えて地面が緩み、トラクターの車輪が空回りして植え付けの為のトラクター耕作が中々進まないことが、ボトルネックとなっていました。
その対策として、追加のトラクターを探しましたが、中々見つかりません。またトラクターの後輪にもう一つタイヤを追加しダブルタイヤにして地面を強くグリップして滑りにくくすることも検討しました。
しかし、1台当たり2000ドルかかる上にタイヤ追加作業に1-2日かかり、その間使えなくなるので断念しました。
そこで、最後の手段として夜間も含めた突貫工事になりました。まさに競馬で言うと、最後の直線でムチでの叩き合いの状態です。
雨の少ない日に朝5時から夜10時までトラクターを稼働させます。その結果、一昨日時点でトラクター耕作は残り20ヘクタール、トラクターによる畝作りは残り40ヘクタールまで追い込みました。
雨が降らない日があと4日あれば、トラクター作業は完了します。
ただし、昨日、今日と大雨が続いていて農園への道路が破壊され、通行不能になったりしているので予断は許されません。
また、苗の植え付けは昨日時点で全250ヘクタール中残り60ヘクタールとなっています。
1日8ヘクタール植え付けを目標に80人、雑草取りと合わせて155人のワーカーを掻き集めようとしており、現在130人まで集まりました。
ゴールが見えてきました。