カンボジア農業プランテーションのワーカー事情 マネージャー編

2014年5月6日

今回は、農業プランテーションを支える要員についてお話します。
カンボジアでの農業プランテーションの要員は一般的に以下のような階層になっています。

         経営者、上級管理職

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          マネージャー

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        (場合により)グループリーダー

             |

          一般ワーカー

弊社も同様の形で、日本人の下にカンボジア人マネージャーが居て、一般ワーカーをマネージする形です。

日本人の経営者、上級管理職が直接一般ワーカーに対して仕事の指示をすることはありません。先ずカンボジア語も話せませんし、たとえ通訳がいたとしても日本人の習慣や考え方とカンボジア人のワーカーレベルの考え方が違いすぎるので、上手くコミュニケーションがとれません。

そこで、一般ワーカーに対しては、マネージャーを通じて作業指示をすることになります。

そのためにマネージャーは、我々日本人とコミュニケーションが取れるために、英語力と先進国流のビジネスの仕方をある程度理解できることが必要です。

また、当然一般ワ-カーを統率するリーダーシップも必要になりますし、大きなプランテーションでは事業を進めるためのプランニング能力も不可欠です。


この様に、マネージャーには多くの能力が要求されるので、マネージャーの確保は簡単ではありません。特にカンボジアでは幾つかの理由でマネージャー(中間管理職)が非常に少ないです。

実際、大半のプランテーションでは、カンボジア人でマネージャーができる人材がいないために、タイ人、マレーシア人、ベトナム人のマネージャーを連れてきています。

弊社では、カンボジア最高学府の王立プノンペン大学を卒業した、20代前半の若者を雇い、小さなプランテーションを任せてOJTで育て上げています。

さすがに、そのレベルの大学の卒業生は個人差はありますが最低限必要な英語力と、ビジネスのやり方を理解できる思考力を持っていますので、そういう素質のある若者を鍛えて数年がかりでマネージャーを育成するわけです。

こう言うと語弊があるかもしれませんが、我々にとって幸い?なことにそういうレベルの若者、特に理系出身者は、かなりだぶついています。

弊社が3年前に雇った最初のマネージャー、ウドム君も王立プノンペン大学の生物化学学科を卒業したのに自分の得意領域の仕事が見つからず、経理・総務コンサル系の会社に入ってくすぶっていました。弊社に転職して天然ゴムプランテーションのマネージャーになってからは、人が変わったように生き生きと働き、現在はキャッサバプランテーション開発を引っ張っています。
写真はキャッサバプランテーションでGPSの使い方を説明するウドム君(右)

カンボジア国内に農業以外の産業がほとんど育っていないために、このウドム君のように折角素質のある若者がいても、能力が発揮できる職場が中々提供されていません。そのためにOJTの機会も無く、マネージャーのような中間管理職も育たない大きな理由となっています。

それだけに、折角育てたマネージャーにユメユメ他に転職されるようなことはあってはならない訳で、そのために給料や人事管理には気を使う必要があります。

特に、マネージャーに育つ人材は上昇志向があるので、育成を重視して将来のスキルアップやキャリアアップにつながるように指導していくことが重要と考えています。