キャッサバ用農機を探しにタイに行ってきました!  その2 タイ現地編

2014年10月21日

前回の記事で、キャッサバの収穫には300人もの人手がかかり、とても集めて上手くは管理できないので、機械化が必要になること。そこで比較的機械化の進んだタイに調査にくることになったところまでお伝えしました。

最初の調査は1か月ほど前です。収穫機を提供でき、バンコクから日帰りで行ける距離の3社の農機メーカーを回りました。
最初のT社は、大手でバンコクの郊外に工場があります。そこではかなり整然としたプレゼンテーションをしてくれ、タイの多くの農園で使っている収穫機を教えてくれました。

下の写真のように、トラクターの後ろに地面を掘り返すバーや板を付けます。

これで、下の写真のようにトラクターを走らせて地面を掘り起して、イモを地表に浮き上がらせます。

浮き上がってきたイモを人手でかき集めるのです。このやり方の利点はトラクターに簡単な付属品を付けて走るだけなので、機械の費用が安く、シンプルなため壊れにくい(壊れてもすぐ取り替えられる)ことです。

但し、結局は浮き上がってきたイモを人手でかき集めねばならず、あまり省力化できません。また、地面を掘り起こす際にイモを傷めてイモの端が約10%程度欠ける場合が多く、その分損になります。
つまり、タイが機械化されていると言っても、現時点ではこのように簡単なレベルが大半ということです。

2件目に尋ねたのは、バンコクから3時間走ったチョンブリ県という場所にあるC社です。
ここは中堅メーカーで、タイの中堅農機メーカーで作っているアライアンスに加盟してかなり情報を持っています。
ここで紹介されたのは、キャッサバを超大規模に生産しているブラジルで使われている機械です。CP社等タイの数千ヘクタールの超大規模農園で導入されています。

イモを10本ほどの小さな棒で地中から掻き出して、ベルトコンベヤーで機械の上まで運んで集めます。掘り出しから集約まで自動で行うので、相当に人手を省くことができます。
ただ、かなりガッチリしていて大がかりな機械なので、費用もそれなりにするため、弊社の規模ではペイしません。

3件目は、バンコクから北西に100kmほど行ったスパンブリ県にあるN社です。
ここは、個人経営の自動車工場から発展したメーカーですが、現実に使える機械を安く作るので、200件以上の出荷実績を持っています。

ここの機械は、ブラジル製の機械を改良してシンプルにし、壊れにくく値段もブラジル製の1/10以下にしていました。
実際のキャッサバ農園で使う様子も確認し、私は、これしかない!と直観しましたが、詳細を確認する必要があるので、一旦資料を持ってカンボジアに戻りました。

先週末、再度この工場を弊社のエキスパートの米司さんと訪れ、収穫機等の詳細を1日かけて確認しました。
下は、ディスカッション風景

収穫機の原理は下の写真のようになっていて、日本で使われるゴボウ収穫機と同じ原理です。
2つのゴム製の回転ベルトで挟んで、キャッサバを地中から引っ張り出して上に集めます。

散々詳細を詰めて米司さんも納得し、導入の方向を決めました。
記念写真です。(右から、N社社長、米司さん、私、N社営業)

今回、一応収穫機は決まりましたが、それだけでは機械化は完成ではありません。
キャッサバを地中から掘り出して一旦集めるところまではこの機械でできますが、それを裁断してまた集めて農場の出荷場所まで運ぶまでを、工場のベルトコンベヤーのようにシステム化する必要があります。

来年1月の収穫開始を目指して、我々の戦いはまだまだ続きます。