上海株式市場の暴落で天然ゴムも下落! 【最後に追記しました】

2015年7月19日

皆様ご案内のように、7月6,7,8日と上海株式市場が大暴落となり、その煽りで日本株も暴落して大きなニュースになりました。(下は落した上海株のチャート)

実は、あまり知られませんが上海株の煽りを受けたのは、日本株ばかりでなく、天然ゴム価格も同様です。
今年5月の記事天然ゴム価格は上海株式市場次第!?で上海株と天然ゴム価格の関連を述べました。

実は、天然ゴム価格は、2011年のピークから昨年は1/4に暴落していました。この価格は主産地のタイ、インドネシア、マレーシアの生産価格を割っているために、生産者の供給拒否が相次ぎました。

カンボジアの天然ゴム価格に影響するシンガポール市場でも、大手生産会社数社の供給ボイコットが起こりました。

それに輪をかけて、5月、6月の暴騰した上海株式市場からあふれ出した資金が、上海天然ゴム市場に流れ込みました。実は、上海天然ゴム市場はシンガポール市場の100倍以上の取引量を誇る最大の市場です。この上海市場が上がったために、シンガポール市場も連れ高しました。

その結果、カンボジアの我々が工場に売る、ラテックス(天然ゴム樹液)の価格も20%程度上がり、少し一息ついていました。
我々のカンボジアの天然ゴム農園では、毎日収穫した天然ゴム樹液を工場に運んで売りますが、その販売価格はシンガポール市場に連動して、毎日変動します。(下は樹液採取の様子)

従って、毎日のシンガポール市場の値動きが我々の日々の懐具合に直接響いている訳です。

その上海株の上昇に伴って一旦20%上昇した天然ゴム価格が、7月6,7,8日の上海株式市場の大暴落で大幅に下落しました。 

上海株の暴落で天然ゴムにも投資していた投資家の懐から、お金が一気に無くなりました。
それで資金不足になった投資家が、天然ゴム市場から雪崩を打って資金を引き揚げたので、天然ゴム市場も暴落状態になりました。(下のシンガポール市場のチャートの赤丸部分)

その後、7月9日以降上海株が落ち着きを見せる中で、チャートのようにシンガポール天然ゴム市場も下げ止まりました。

それに伴い、我々の天然ゴム樹液価格も一旦は下げ止まりましたが、まだ低空飛行のまま留まっています。
上海株式市場も、中国政府のメンツをかけたなりふり構わぬ価格支持政策で、一旦は下げ止まりましたが、市場の歪みが指摘される中で再度大きく変動する可能性が高い状況です。

上海株が再度暴落すると、我々の天然ゴム樹液の日々の販売価格も大きく下がってしまいますので、上海株式市場から目が離せない、気の抜けない状態が続きます。

<追記>
固唾を飲んで上海株の様子を毎日見守っていましたが、果たして、今日再び8%の暴落です。(下の赤丸部分)

上海株は、7月6,7,8日の暴落の後、中国政府が必死に値を押し上げてきました。その結果上のチャートのように7月9日から先週まで株価が上昇していました。

しかし、先週末に政府高官が「買い支えの資金を引き揚げる」と発言し、自社株買いをしてきた上場企業の資金も尽きてきたところで、今日午後に一気に8%の暴落です。

その結果、我々の天然ゴム樹液売渡価格を決める、天然ゴムのシンガポール市場も下の赤丸のように暴落してしまいました。

シンガポール市場も暴落後、7月9日以来上海株式市場と歩調を合わせて上昇してきましたが、また一気の下げです。
上海株式市場が落ち着かないと、天然ゴム価格も落ち着きませんが、上海株を支える中国政府の資金もあまり残っていないはずなので、明日以降更に2番底の大底を着けにいく暴落を演じる公算が大きい状況です。

中国政府が何等かの秘策をだすのか、このまま大底まで沈んでしまうのか目の離せない状況が続きます。