2015年8月6日
前回の続きです。弊社のカンポット州の農園では、今年から20年の経験を持つエキスパートの技術指導を得て生姜栽培を始めました。
3月後半から植付を開始しましたが、1か月たっても発芽してきません。通常は3週間から1か月で発芽なので、少し焦ってきました。
発芽遅れの原因は、前回の記事のように、土壌の保水力の不足で種生姜に十分な水分が行き渡らないことだと分かったので、毎日井戸から大量の水をくみ上げて与え続けました。
その結果、5週間過ぎからポツリポツリと芽が出始めました。(下の写真の白矢印が生姜の芽。)
その後も毎日水を撒き続けたのですが、1か月半たっても一部の領域は発芽してきません。やはり発芽していない領域は、土の保水力が低いようです。掘ってみると多くは地中で芽を出し始めていますが、まだ地表に到達していません。下の写真のように腐ってしまったものもあります。
それでも、水不足にならないように、来る日も来る日も1日中水を与え続けました。
果たして、2か月経つと腐って発芽しない場所を除いては芽が出そろってきました!
しかし、やはり発芽遅れの為に成長が遅れています。そこで、カンフル剤として液体肥料を与えました。(下の写真)
カンフル剤は、1週間おきに3回です。その成果がでたのでしょう、最近は大分大きくなってきました。(下の写真)
下は、掘ってみたところ。新しい根が育ってきています。
植付以来かなり苦労しましたが、やっと十分に成長してきました。これから追肥や草取りをしながら収穫まで3-4か月です。今後どこまで大きくなるのか、今から収穫が楽しみです。
<追記>
前回の記事にコメントで指摘を頂きましたが、堆肥を使った土作りは生姜の場合にも非常に有効です。
しかし、前回の記事にも書いたように、発芽のためには適切な温度と水のみが必要で、土壌の栄養分は関係ありません。何故なら、一旦発芽し根が出るまでは土の養分が吸えないからです。
今回は、土壌の保水力が低いために、水分が種生姜の全体に行き渡らない状態のために、発芽が遅れました。
ただ、今回1か月を過ぎて発芽していない株を掘ってみると、大半は土の中で芽が出てきていました。芽は出たがそれが伸びて地上に到達していない状態だったのです。
この場合、当然地中で根も出始めていますので、成長速度は土壌の栄養分の影響を受けることになります。従って、地中で芽や根が出始めてまだ地上に到達しない段階では、良い土の方が早く地上に芽が出ることになります。
今回生姜を植えた場所は、林を開拓したばかりのところで、土の栄養状態は必ずしも良いとは言えません。一般に開墾して2年目以降の方が作物が良くできると言われてもいます。
ただ、開墾したばかりの土地でも、作物を植える前に長期間土作りを行えば、結果は見違えるほど違うとも言われていますので、やはり事前の堆肥等での土作りは重要です。
弊社のカンポット州の農園では、今回何とか生姜が出来ることが分かったので、次回は4-5倍に規模を拡大することにしました。
そこで、次回は今回の反省も踏まえて、事前の土作りを植付の半年前の今から行います。
実際には、開墾後もみ殻の燻炭や米ぬかを土に混ぜて、雑草やソルガム等を生やして行くと言うやり方を考えています。
やはり、毎回工夫して改善を積み重ねていくことが重要だと思います。