カンポットペッパー農園記事(その3)

胡椒が本格的に実り始めました!

 弊社はカンボジアの南西部カンポット州とその隣のケップ特別市で、胡椒農園を運営しています。どちらの農園も、カンポット州の胡椒の有機栽培農家の集まりである、カンポットペッパー協会(Kampot pepper Promotion Association)のメンバーとして、完全有機栽培を行っています。

 完全有機栽培なので、化学肥料や農薬は全く使いません。肥料は牛糞、コウモリの糞、牛骨粉しか与えません。
下は牛糞を与えるために土と混ぜたもの。

 この牛糞は臭いませんが、コウモリの糞を混ぜるとかなり強烈に臭います。

 また、農薬も全く使いません。殺虫剤はクレン・スレングという強烈な毒のある木の実を潰して、3日間水に漬けた水を殺虫剤として散布します。
このクレン・スレングの毒は人も殺傷するほど強烈で、これを散布すると害虫も一切寄り付かなくなります。

 除草剤も使わないので、放って置くと胡椒の添え木の間に雑草が生い茂ってきます。特に今の時期は雨季真っ盛りで、雑草も急速に成長します。雑草が茂ると、折角肥料で培った土の養分が吸い取られるだけでなく、土の保水力が必要以上に高くなります。
このところ連日本格的なスコールが降り、土に大量の水が供給されているので、雑草の保水力の為に水がはけずに溜まって、胡椒の根に悪影響が出てしまいます。

 そこで、農園のスタッフが雑草取りを行います。

 ご覧の様に板に腰かけて、丁寧に手作業で取っていきます。胡椒の茎や根を傷めないように器具や機械は使いません。この為、雑草取りに多大な工数が掛かります。この時期は雑草の伸びが早いので、通常のスタッフだけでは足りず、テンポラリーワーカーを雇う必要があります。

 この様に有機栽培は多大の人手がかかりますが、カンボジアでは人件費が極端に安いので、労働集約型の有機栽培に向いていると言えます。

 さて、肝心の胡椒の木ですが、下の写真のようにココナッツの葉で葺いた屋根まで到達しています。

 また、上から下まで鈴なりの実を付け始めました。

 これらの実は、11月、12月に一部を収穫して生で出荷します。カンボジアでは生の胡椒は野菜のように使われ、肉や魚介類と一緒に炒めた料理は、カンボジアの名物料理の1つです。

 残りの胡椒の実は、2月までそのままにして置いて実の中に固い核ができるのを待ちます。この固い核ができた実を収穫して3日ほど天日で乾燥させると香りの高い黒コショウができます。
 今から収穫が待ち遠しいです。

 

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