カンポットペッパー農園記事(その9)

■ 胡椒の収穫が始まりました!

 弊社のKep州にある胡椒農園では、初の胡椒の本格的な収穫作業が始まりました。
一昨年9月に植えて18か月育て、待ちに待った収穫です。

 胡椒の木では実の房が収穫を待っています。実が十分に成熟しているのを確認して房ごと摘み取ります。初日は179kgの収穫量になりました。その後摘み取った房を集めて、実を一粒一粒選別します。

 胡椒は赤、黒、白、青の4種類があり、全て1本の木からできます。もっと言うと1房からこれらの4種類の胡椒ができるのです。

 熟した同じ房の中で赤い実が付き、これを選り分けて赤胡椒となります。上の写真の籠の入った赤い実がそれです。赤胡椒は、黒胡椒の一種で「完熟黒胡椒」とも呼ばれますが、黒胡椒に比べてマイルドな味わいです。

 また、形や色の悪い実も選り分けて白胡椒にします。白胡椒は実の表皮を除いて白い種の部分だけにしたものです。

 上の写真のように1-3日水に漬けて、表皮をふやかしてから取り除きます。表皮の強い香りが無くなって特有の辛味が味えます。
 赤胡椒、白胡椒になる実を房から取り去った残りの大部分の青い実は黒胡椒になります。胡椒の深い香りが楽しめます。
 さて、選別された実は、下の写真のような乾燥場で乾燥されます。

(黒胡椒の乾燥風景:青い実が乾燥すると黒くなります)

(赤胡椒の乾燥風景)

 これらは、1-2日乾燥させた後煮沸して消毒し、更に3日程度乾燥させます。乾燥が不十分だと保存中にカビが生えてしまいます。十分に乾燥させたものは、良い環境で保存すると何年でも持つと言われています。
 しかし、乾かし過ぎは禁物です。紫外線にあまり長期間当たると胡椒特有の風味が損なわれる言われているためです。 

 実は胡椒は通年は実を付けますが、この時期に収穫をするのは理由があります。胡椒を出荷するためには天日で乾燥させる必要がありますが、2月-4月の乾季のこの時期には滅多に雨が降らないので乾燥作業にもってこいな訳です。

 さて、収穫は胡椒の木の中で熟した房だけを摘み取る作業で、順番に6000本の添え木を何度も回り、2か月以上かけて行います。胡椒農園では、これから4月までこのような風景が続きます。

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