カンポットペッパー農園の今:高品質な胡椒を選別

 カンボジア南西部のカンポット州・ケップ州は美味しいオーガニック胡椒、カンポットペッパーの産地です。

 カンポットペッパー農園では、収穫後の施肥、施設メンテナンスの後、胡椒の選別作業に入っています。

<オーガニック胡椒、カンポットペッパーの条件>

 日本の農協にあたるカンポットペッパー協会(Kampot Pepper Promotion Association)は100年前からの完全な有機農法を厳密なガイドラインとして定めています。このガイドラインを守る農園だけが会員として、カンポットペッパーの名前を名乗ることができます。

 

ガイドラインの例:

・完全に有機肥料を使用する 牛糞、牛骨粉、こうもり糞を中心とする有機肥料のみ使用。
・農薬の不使用 除草剤、殺虫剤などの農薬は使用禁止。
・施設の規則 胡椒の添え木は木材のみ。屋根はココナツの葉か寒冷紗。添え木の間隔、1ヘクタール当たりの添え木(胡椒の木)の本数制限。(十分な間隔を開け、風通しを良くして病気を防ぐ為)
・胡椒の種類 クメール種のBig leaf、Small leafと呼ばれる2種類のみを栽培。栽培が比較的簡単な「インド種」、「マレー種」は禁止。
・製品 決められた以上の大きさ、色、形の条件を満たすもののみ。条件を満たさない胡椒の実はカンポットペッパーを名乗れない。

 

<オーガニック胡椒、カンポットペッパーの品質にこだわった選別>

 胡椒の収穫と乾燥が終わった後、カンポットペッパーであるための上記の最後の条件を満たす胡椒の実だけを選別する作業が一仕事です。

 乾燥された胡椒の実のうち、黒胡椒は約50%、赤・白胡椒は約80-90%しか1級品としてカンポットペッパーを名乗って出荷できません。

 1粒1粒手作業で選別するため、1人で1日1~2kgしか選別できません。

 農園からの出荷量はトン単位ですが、1トンを選別するために1人でやると1年半はかかることになります。

 うちの農園でも半数弱が女性ワーカーですが、彼女たちはほぼ1年中朝から夕方まで選別作業に取り組んでいます。出荷が集中する時にはそれでも間に合わず、日雇いワーカーも数十人雇って選別します。

 こんな時には、騒ぎを聞きつけて、カンポットペッパー協会の会長始めスタッフがやって来て、正しく選別するための指導と品質確認をやってくれます。

 この様に、カンポットペッパーは徹底的に手をかけて、高品質な胡椒だけを出荷しています。ここまで品質にこだわっているのは、世界でもカンポットペッパーだけだと思います。

 

 

 

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