<免疫力アップと血流改善>
前回の記事で、アフターコロナ時代には、免疫を高めて予防が大切。免疫を高める食材として、胡椒や生姜が改めて注目されてきた、というお話をさせて頂きました。
コロナ対策の免疫を高めるために何が必要か?を知るために、日本の免疫学の第一人者と言われる、宮坂昌之阪大教授の「免疫力を強くする」(講談社ブルーバックス)という本を読みました。
この本の第8章に「血液循環やリンパ循環を良くしてやれば、その分免疫力が高くなるのです」という記述があります。
免疫細胞の通り道である血管やリンパ系の通りをよくすることが、免疫機能を働かせるために決定的に必要ということだそうです。
この本の記述への私の独断と偏見の解釈ですが、平たく言うと、特定の病原体の抗原に反応して退治することができるリンパ球は、全体の10万分の1程度しかないなので、この数少ない割合のリンパ球を、体全体から血流を良くしてすごい速度でかき集めて病原体に充てることが、病原体に勝つ為に必要だということです。
<胡椒の有効成分ピぺリンの効果とカンポットペッパー>
さて、古来より知られているように胡椒・生姜には全身の血流をよくする機能があります。
生姜の効能については、日本でもある程度知られこれまで和食でも大いに活用されてきました。しかし、胡椒は調味料として単に味付けに用いられるだけで、健康効果を意識することもありませんので、ここで胡椒の健康効果をお話ししたいと思います。
胡椒の辛味は、ピぺリンという辛味成分によりますが、ピぺリンは、ダイエットに効果があったり、血行をよくして冷えを解消したり、肌を健康に保ってくれたりするなどの健康効果があります。
ピぺリンの効果①:血行促進
上記のように、血行促進が免疫力アップのために重要ですが、ピぺリンは体中の毛細血管を拡張して血行を促進し、冷えを防ぎます。
体が冷えることで風邪をひきやすくなることでもわかるように、やはり血流促進は免疫アップに大切ですね。
ピぺリンの効果②:食欲アップして栄養を十分摂取
胡椒を使うと食事が進みますが、ピぺリンは食欲を増進します。
どんなに良い食事であっても、それを十分に食べて消化しなければ健康にとって意味がありません。因みに、胡椒の臭い成分のリモネンにも食欲をそそる効果があります。
ピぺリンの効果③:抗菌、防腐、防虫効果
元々、コロンブスなどの時代に西洋人が胡椒を求めてインドに向かったのは、肉の腐敗を防ぐために胡椒を使いたかったためです。
現在は冷凍・冷蔵技術や防腐剤があって胡椒の重要性は下がりましたが、夏の食中毒を防ぐなどの為にも効果があります。
ピぺリンの効果④:ダイエット、アンチエイジングなど
ピぺリンは、交感神経を刺激して、アドレナリンを分泌させ脂肪分解酵素を促進させるといわれています。
また、ピぺリンには抗酸化作用もあるので、アンチエイジングに役立ちます。
ところで、カンボジアのカンポット州で栽培される、カンポットペッパーはクメール種という品種で、他のインド種やマレー種よりもピぺリンを20%以上多く含むといわれています。
カンポットペッパーにより、ピぺリンをより効果的に摂ることができます。
<カンポットペッパーの辛味>
ギリシャの大手食品会社との商談で言われたのは、「カンポットペッパーの辛味は他の種類の胡椒の20%以上あるので、20%以上高くても買うよ」ということでした。
また、カンボジアの首都プノンペンの日本人経営の有名ホテルでは、お土産コーナーに普通の胡椒とカンポットペッパーのサンプルが並べて置いてあり、すぐに比較できるようになっています。お客さんがカンポットペッパーの純粋な辛味と強い香りに驚いて買っていく、とのことで、在庫が少なくなると「カンポットペッパーを送れ、送れ」と
催促が激しいですね。
この様に、一口食べて頂くと、カンポットペッパーの違いがはっきり判ります。
(次回、胡椒の有効成分ピぺリンを美味しく、十分に摂る方法をお話しします。)