カンポットペッパーは、例年3月から5月の乾季の真最中が収穫時期です。
前年の天候によって胡椒の実が熟す時期が数か月ずれる年もありますが、今年は3月中旬から十分に熟して例年通りに収穫が始まりました。
3月には地元のカンポット州、ケップ州でも新型コロナの感染者が出始めたため、日雇いワーカーも大量に雇って特に収穫作業を急ぎました。病気が蔓延して作業が止まると、熟した胡椒の実が木から落ちて無駄になってしまうので、熟した実をタイムリーに摘んでしまう必要があるからです。
収穫の手順は以下のとおりです。
- 手で熟した房を摘み取る。熟した房のみを摘み取り、未熟なものは熟すまで待ち、2巡目の収穫作業で摘み取ります。
- 同じ房に赤、黄色・橙色、緑の実が付いているので、赤と黄色・橙色の実を1粒ずつ手作業で取り外して分ける。赤の実はカンポットペッパー特有の赤胡椒に、黄色・橙色の実は皮を剥いて白胡椒にそれぞれします。
- 房に残った緑の実を足で踏んだり、分離機を使ったりして房から外す。これは黒胡椒になります。(下は分離機の様子)
- 赤、緑の実は一旦煮て天日乾燥させます。黄色・橙色の実は煮た後皮を剥いてやはり天日乾燥させます。雨が降って十分乾燥できない場合は、乾燥機で乾燥させます。
- 十分乾燥した実は、更に1粒ずつ手作業で1級から3級に選別します。十分な大きさ、色、形、香りをもつものだけを1級品として、「カンポットペッパー」のブランドで出荷します。選別中には、時々農協にあたるカンポットペッパー協会の会長も、自らうちの農園に顔を出して正しく選別が行われているかチェックします。
幸いなことに、新型コロナで中断も無く一巡目の収穫が4月一杯で終わりました。今後2巡目の収穫作業に入っていきます。