「盗伐者がキャッサバ農園への道路を破壊」への追記

2015年5月25日

前回の記事で、弊社のキャッサバ農園に国道からつながる道路が、違法伐採した木材を運ぶ多数のトラクターによって破壊されることをレポートしました。

上は道路破壊中の盗伐トラクター
この道路が破壊されて、昨年は通行が大変危険になったので、今年初めに大金をかけて修理したのですが、今年もトラクターの大群は止まりません。

このトラクターの主は、国有林を違法に伐採してベトナムに運ぶ、「森の民」と呼ばれるジャングルに孤立生活する少数民族です。
ところが、最近は「森の民」以外の連中も大勢違法伐採を始めたことが分かりました。

先日、農園の近くの道で私の乗っていた車と、1台の違法伐採トラクターが接触事故を起こしました。
狭い道に私の車が止まっていたところ、トラクターが無理にすれ違おうとして、車のバックミラーを破損し車体の一部をへこませたのです。(下はバックミラーが破損した車)

そこで、当然相手のトラクターを止めて、賠償を求めました。(下は相手のトラクター)

結局、相手にお金が無くて、保険を使って修理することになったのですが。。
この時の話で、相手が隣村の住人であることが分かりました。何と近隣の村人までが盗伐に精を出していたのです。

そう言えば、最近弊社の農園の隣の国有林が凄い勢いで盗伐されているので、おかしいと思っていました。
「森の民」は弊社の農園の隣の州で盗伐して、木材を運んで来ていたので。
(下は、弊社農園の隣の国有林が盗伐されているところ)

下は、切った木材をトラクターに載せているところ

大量の木材が運び出されている。

このように、多くの木が違法に伐採されて、国有林のジャングルは見る見るうちに失われていきます。

聞いたところでは、このKratie州ではこれまで盗伐をかなり取り締まっていたために、被害があまりなかったのですが、最近与党が知事に働きかけて、取り締まりを緩めたそうです。与党の人気取りの為だそうです。

そこで、盗伐しても処罰されないと知った村人が、「今だ!」とばかりにジャングルに大勢殺到してきました。
何しろ、すぐそこにある木を切って運べば、かなりのお金になる訳ですから、一種のゴールドラッシュのようなものです。

結果として、貴重な自然が失われ、カンボジアの大切な国有財産である木材も盗まれてしまいます。
我々にとっては、道路を破壊するトラクターが追加で大発生したお蔭で、破壊速度が速まってしまいます。

我々としては、自衛手段を取るしかなく、軍隊に頼んで兵士を派遣してもらい、盗伐トラクターに我々の道路を通らせないようにガードしてもらおうと動いています。

ところが、最近制度が変わって、兵士派遣の為には知事の承認が必要になりました。今週、知事の所へ事情説明に行きますが、盗伐の取り締まりを緩めた知事なので、承認が出るか否か予断は許しません。