盗伐者がキャッサバ農園への道路を破壊

2015年5月15日

弊社のKratie州のキャッサバ農園は、国道7号線から未舗装の道を15km入ったところにあります。
元々は、ジャングルの奥へ分け入って開拓したところですので、道もジャングルの木を引き抜いて地面を平らにしただけのものです。

この15kmの道路が、我々の泣き所の1つになっています。特に、雨季にはこの地方に多量の雨が降るので、水の被害を受けます。下の写真は雨水の為に道路が冠水して、途中の橋が見えなくなった時のものです。

このように、雨季の最盛期には道路の冠水によって、通行できないことが度々あり、従業員が農園に1週間閉じ込められることもあります。

さて、問題は冠水だけではありません。雨季に道路の地盤が緩んでいる時に、トラクター等が通行すると道路を壊すのです。下の写真は、昨年の雨季が終わった直後の道路の一部です。
道路の表面が破壊されて多くの凸凹ができ、雨季にはぬかるんで普通の4駆車では通行が困難になります。

この様に雨季に道路を壊す主犯は、以下のような小型トラクターです。

これは、カンボジアのジャングルの中に住む少数民族、所謂「森の民」が違法に国有林を盗伐して、小型トラクターでジャングルの中の小道を通ってベトナム国境まで運んで売りさばいています。

見ているとかなり立派な木材を運んでいるケースもあり、これらはベトナムで製材されて主に中国に運ばれ高値で売られるそうです。

我々の農園から国道7号線までの道は、ジャングルの中を長距離走っているので、公道を堂々と通行できない彼らにとって恰好の通り道になっています。

このような小型トラクターが、連日50~100台以上通るのでたまりません。地盤が緩んだ路面がドンドン破壊されてしまいました。

上は列をなす盗伐トラクター

放火の件で何回か記事にしましたが、この少数民族、「森の民」は普通のカンボジア社会から孤立していて、カンボジアの法律・秩序に縛られずに自分のやりたい様に生きています。

話してわかるような相手ではありません。破壊された道路の補修費にあてるための通行料を取るような交渉など相手にされません。

彼らの棲むジャングルには虎や毒蛇も多いので、彼らはそれに対応するための毒矢などの武器を備えており、非常に危険です。
昨年の雨季には、一回道路にバリケードを作ってみましたが、夜間に破壊されて突破されてしまいました。

そこで、昨年の雨季は彼らの被害を避ける方法が無く、道路が散々に荒らされてしまいました。
道路が荒れたままでは我々も危険で通行できないので、乾季になってから大金を投じて道路を補修工事しました。

しかし、このままでは雨季に地盤が緩んだときに、また彼らに道路を荒らされてしまいます。
そこで、今年の雨季には、軍に頼んで兵士を数人派遣してもらうことにしました。どうも彼らも軍隊には敵わないようなので。

来月からは兵士に来てもらいますが、果たして上手く道路が守れるのか? 彼らとの間で紛争が起きるのではないかなどと、不安が拭えません。