2014年9月25日
一昨日日本から3週間ぶりに帰国し、ブログの方も1か月半のご無沙汰でしたが、今日から再開します。
元々弊社は天然ゴム、胡椒、キャッサバの大規模なプランテーションを行ってきましたが、今年6月からはプノンペンから100Kmほどのカンポット州チュムキリー郡の数ヘクタールの土地で近郊農業を始めました。
カンボジアでも、プノンペンを中心に有機栽培野菜の需要があるので、弊社も下の写真のような有機肥料を使って有機栽培野菜を提供しています。
さて、弊社の近郊農業の最初の柱はオクラです。 オクラは熱帯原産なので、日本から取り寄せた種がカンボジアでも良く育ちますし、日本の品種はカンボジア在住の日本人に評判が良いのです。
7月中旬から下旬に植えた0.2ヘクタールほどのオクラが、下の写真のように順調に生育し、今日初出荷の日を迎えました。現地マネージャーのマライ君を先頭に3人が1時間をかけて収穫作業をしました。
実は、オクラは放っておくと実の大きさが20cm以上になってしまいます。大きくなるのは良いのですが、同時に固くなってしまい、オクラを主に生で食べる日本人にとっては不味くて食べられなくなってしまいます。
カンボジア人も最近はオクラを食べるのですが、主にスープ等にして火を通すので、生では固い状態のものでも十分に食べられます。
しかし、上記のように生食の日本人向けは10cm程度の大きさでなければなりません。そこで、それ以上大きくなる前に摘み取ってしまう必要があります。
今日の収穫では、残念なことに育ちすぎのジャンボサイズの実が半分以上を占めました。実は昨日、一昨日はカンボジアのお盆に当たるプチュンバンという連休にあたり、出荷ができなかったのです。そのため今日は収穫のタイミングを逃して大きくなり過ぎた実が続出したのです。
(下の写真は大きくなりすぎたもの)
それでも何とか出荷できるサイズのものを集めて、9.5kgが収穫できました。
次は荷造りして首都プノンペンへの輸送ですが、実はこれにもちょっとしたノウハウが必要です。
オクラは数キロ単位で集めると、かなりの発熱をして自分で茹ってしまいます。何故ならオクラの実は、摘まれると自分の位置を直そうと動こうとするので、発熱してしまうのです。
それを防ぐためには、冷やすしかありません。15℃くらいになるとオクラの生理活性が無くなって、動こうとしなくはなくなるので発熱が無くなります。
従って、以下の写真のように運送箱の真ん中に氷を入れた小バケツを入れて冷やしながら輸送します。
カンボジアでは、冷蔵車のようなものはほとんど無く、このような場合は氷を使わざるを得ません。
氷は電気が無いところでも使えて、しかも非常に安いので、50ー60年前の日本がそうだったようにいたるところで冷却に使われます。
話がそれますが、カンボジアでは冷蔵しての輸送がほとんどできないので、食肉用の動物や魚は生きたまま輸送されます。殺してしまうと日本の真夏同様の気候の為に、あっという間に腐ってしまうのです。
実際、国道を走ると身動きできないように縛られた豚や、半死半生状態の鶏を大量に縛り付けたバイクに毎回遭遇します。
さて、今日は初出荷ができ、野菜で初めての売り上げが立ちました。今後は毎日安定した収穫ができるようにスタッフをガイドしていきます。