キャッサバのペストとの戦い 終戦処理編:キャッサバ・プランテーション

2014年5月18日

弊社のキャッサバ・プランテーションで、キャッサバのペスト(黒死病)と呼ばれる害虫、メーリーバグ(Mealybug、粉カイガラムシ)が大発生して、植え付け用にストックしていた苗用の茎を食い荒らしました。

前回の記事では、緊急対応として、茎を3種類に選別(①健康体、②中間のもの、③被害を受けて使えないもの)、洗浄、消毒、被害を受けた茎の焼却の様子をお伝えしました。

焼却された黒死した茎

茎の焼却後は、畑への対応です。この時点で、全250ヘクタール中約55ヘクタールの畑の植え付けが終わっていました。折角苦労して植えた苗が喰われてしまっては大変なので、すぐにこの55ヘクタールの植え付け済みの苗への殺菌・殺虫剤散布を突貫作業で行いました。

ここでまでで現場対応は一段落ですが、気を緩める余裕はありません。

キャッサバの植え付けは、来年の収穫時期の都合で、この5月一杯で完了する必要がありますが、この時点で全体の20%強しか終わっていません。水害やワーカーの確保などの問題を解決してやっと軌道に乗りかけたところで、メーリーバグの襲来です。

大量の植え付け用苗が喰われてしまったので、すぐに被害本数を特定して、替りの苗を入手する必要があります。

茎を選別して、洗浄・消毒し、②中間のもの(ある程度被害を受けてはいるが使える可能性のあるのも)の回復を数日待ち、最終的にどの程度の茎が使えなくなったのか、被害を確定しました。

輸入商社C社経由でタイから輸入した約2万束のうち、約1万3千束が黒死または重大な被害のために焼却せざるを得ませんでした。

他にカンボジア国内から調達したものが約1万束あり、それには全く被害が及ばなかったので、全体として3万束の約40%以上を失ったことになります。

その結果、およそ110ヘクタール分の植え付け用苗が足りなくたったので、その確保のためにVP百津とマネージャーのウドム君が茎の焼却開始の翌日すぐベトナムに買い付けに飛びました。

メーリーバグが付いた苗用茎を我々に売ったC社に対して、勿論すぐに代替を要求しましたが、「社長が鼻の癌でタイの病院にいるので、C社のパートナーから社長代理が来るまで結論が出ない。」などと訳のわからないことを言って何も動かないので、C社を当てにしてグズグズしている訳にはいきません。

何故ベトナムに飛んだかというと、弊社のプランテーションのあるKratie州はベトナムと隣接しているために、キャッサバ苗の情報もあり、運ぶのにも近い、またタイで開発された多収量品種の苗も入手できる可能性があったからです。

以下の写真は、ベトナムの農園のキャッサバの茎です。しっかりとして良い茎です。

ベトナムの農園のイモのできも合格点です。

結局、ベトナムで「ミーオン」と呼ばれている多収量品種の苗を110ヘクタール分契約しました。
以下の写真は契約の様子。中央のおばさんが、ベトナムーカンボジア間の仲買人、その右が茎を提供する農園オーナー、一番左がマネージャーのウドム君です。

ベトナムからの茎は、早速一昨日5月16日から現場に到着し始め、キャッサバの植え付け作業もトップギアに入ってきました。

あとは、我々に茎を売ったC社への損害賠償請求が残っています。
私は一昨日5月16日にC社を訪れました。そこではいつもの営業担当役員と、「病気」の社長から引き継いだ新社長の秘書と称する人物が待っていました。
そこで聞いた話は、以外なものでした。。。次回C社との場外乱闘編?に続きます。。