キャッサバの秋の収穫 (追記あります)

2015年10月25日

いろいろあって2か月ぶりの記事です。
弊社のKratie州のキャッサバ農園では、昨年約250ヘクタール植え付けた内7-8月植え付け分60ヘクタールは、今年2-3月に通常どうりには収穫せず、大きくなるまで約1年収穫を待ちました。

9月3日から収穫を開始し、10月中旬のプチュンバン(カンボジアのお盆)前に完了する予定でした。
やり方は、自分たちでワーカーを使ってイモを掘り出すのではなく、畑に業者に来て掘り出してもらい、1kg幾らというあらかじめ決まった価格で売る方法です。

当然、自分たちで掘るよりもイモの価格は安くなりますが、このやり方では、自分でワーカー調達・管理をする必要がなく、単に監視するだけなので自前の要員も非常に少なくて済みます。
また、農園までトラックでイモを取りに来てくれるので、運送も楽です。

今年2-3月の始めには、自力でイモを掘っていましたが、今回は業者にやってもらった方が利益が多いのでやり方を変えてみた訳です。

ところで、この業者のやり方は、以下のような完全人海戦術です。驚くほど機械を使いません。
下の写真のように茎を切り取ります。

残った下の方の茎を引っ張ってイモを引き出します。 通常はここはトラクターで掘り出すのですが。

茎からイモを1本1本切り取ります。

さすがに1年以上育ているのでイモはかなり大きく、1株2kgから大きいものでは5kgは有ります。
1ヘクタールに1万本植えたすべてがこの大きさならば、単収30トン程度の大豊作となるので、万々歳なのですが、昨年来の欠株や9月の大雨で腐った部分も出てきているので、それほどにはなりません。

さて、9月初に始まった作業は、2週間ほど順調に進みましたが、中旬の大雨でストップしてしまいました。
今年は、エルニーニョ現象で雨が少なかったのですが、9月中旬に思い出したように集中豪雨があったのです。

農園内の道路の丸木橋が上の写真のように流されて、道路が寸断されて作業がストップした訳です。
そして、9月末になってやっと雨が一段落したと思ったら、今度はワーカーが帰ってしまいました。

10月11日からのプチュンバン(カンボジアのお盆)の為に仕事が手に着かないのか、早くも9月30日には全員引き揚げです。

何しろ、ご覧の様に全て人手作業なので、進捗は人が集まるかどうかにかかっているのですが、人がいないのではお手上げです。
特に、今回は業者に頼んでいるので、自分でワーカーをコントロールすることができません。

仕方がないので、我々も道路を修理しながらワーカーの帰りを待ちました。プチュンバンは暦の上では10月11,12,13日の3日間だけですが、ワーカーは19日(月)になって30人ほど帰ってきました。何と3週間近くの休暇です。

その後もワーカーが増え続けて、作業が進んでいますが、終了まで11月一杯かかるかもしれません。
カンボジアの人件費はタイ、マレーシア、ベトナムに比べてずっと安いのですが、このように能率がとんでもなく悪いのです。

さて、今年4-5月に植えたキャッサバは、順調に生育しています。多くは下の写真のように人の背丈を超えてきています。

昨年より株間を詰めたこともありますが、昨年植えた物よりも遥かに葉が密集して見えます。
茎の下の方では、葉を落として来ているものが多くなってきて、体全体の成長から根を太らせる段階に入ってきています。これから来年2月の収穫までイモが肥えて行く訳です。

<追記>
プチュンバン明けの10月19日から再開された収穫ですが、10月末近くに再度中断してしまいました。

上記のように完全人海作戦で収穫していたのですが、「イモを地中から引き抜くのに地面が固くて大変」、ということで、ワーカーが逃げてしまったのです。
確かに、この土地は昨年開拓したばかりで、雨が降って乾くと大変固くなってしまいます。

そこで、イモを掘り起こすのをトラクターの作業に変更しました。下の写真の様にトラクターの後ろに掘り起こす板を付けて走るだけですが、白矢印のように容易にイモが掘れます。


これでワーカーも納得して戻ってきました。元々人力だけで、というのが無理だったと思いますが。
キャッサバの秋の収穫は中々進みません。。