キャッサバ収穫トライアル

2015年1月4日

弊社のKratie州の250ヘクタールのキャッサバ農園は今年1月から収穫を始めます。収穫量が6000トン前後にもなる大がかりな作業で、新しい機械なども取り入れるので、事前に手順を確認して上手く行くことを確認したり、作業工数や速度を測る必要があります。

そこで、年末に1.5ヘクタールほどの畑を実際に決められた手順で収穫する、トライアルを行いました。
先ず、地中にイモの部分だけを残して、茎を切り取ります。

上の写真の白矢印が茎を切られたキャッサバです。極一部にしか白矢印を付けていませんが、イモは1m間隔の畝の上に1m間隔であります。

イモは畝の中に埋まっていますので、これをトラクターの後ろに付けたリフターで掘り返して地上に持ち上げます。

上の写真の白矢印で示しているのが掘り出されて出てきたイモです。
現在、カンボジア、ベトナム、タイではこのようなリフターでイモを掘り出す方式が広く使われています。
ただし、この方式ではイモの一部が欠けて地中に残ってしまうことが、大きな問題になっています。

上の写真の白矢印が欠けた部分を示しています。
我々の実際の収穫では、タイで開発された最新の収穫機を導入して、イモが欠けることを防ぐ予定です。

地上に掘り出されたイモは、下の写真のように1本1本切り離して、籠に入れます。

籠にはおよそ50kg分のイモが入りますが、これを500kg入るビニールの袋に移します。

わざわざ籠からビニール袋に移すのは、このビニール袋をパワーショベルで吊上げて、出荷運送用の大型トラックに積み込むためです。(下の写真)

パワーショベルのバケットのすぐ下にはデジタルの重量秤が付けてあり、ここで出荷前に重さを測定します。
パワーショベルでビニール袋を吊り下げた瞬間に重さが分かるので、重量測定のために別途作業をする必要を省けます。

パワーショベルで出荷用トラックに積み込む様子です。

実は、このビニール袋は底が開くようになっていて、トラックの上で底を開けると、袋からイモが下に落ちて自動的に積み込むことができ、人手作業を省くことができます。

このように、パワーショベルと底の開くビニール袋のおかげで15人もの人手を削減できます。
今回は、イモを直接には出荷せず、乾燥させてドライチップにしてから出荷の予定です。そのために、イモを運んで作業場に降ろします。

さて、カンボジアや近隣のベトナム、タイでも現在は収穫作業のほとんどを人手で行っており、大変に人手がかかる作業になっています。

カンボジアでは、近隣のベトナム、タイに比べて人件費が半分以下なので、費用面では低いようにに見えますが、1人当たりの作業効率が近隣国より低いためにそれほど人件費は変わらず、高い費用が掛かります。
また、人手に頼ると大量に人を集めるのが一苦労となり、集められなければ作業が遅れてしまいます。

そこで、機械化が必須となります。我々も今回のトライアルでの作業手順を基に、更に機械化を進めていく予定です。