キャッサバ用農機を求めてタイに行ってきました!

2014年10月20日

しばらくキャッサバ関連の記事がありませんでしたので、今回は久々に復活したいと思います。

弊社のKratie州の250ヘクタールの農園で、今年の4月から6月にかけて苗の植え付けをしました。
苗の植え付けは、害虫、水害、雑草などとの戦いで七転八倒しましたが(このブログにも散々書きましたが)、何とか植え終わって一息つき、現在は雑草取りや病気を監視しながら世話をして育てている段階です。

次の大仕事は収穫作業です。これまで多くのお金を土地開拓や苗の植え付けに費やしましたが、収穫して売れなければ一銭にもならず、これまでつぎ込んだお金は全てパーになってしまいます。
何としてでも、全て収穫してお金を無事に土の中から掘り起こさなければなりません。

さて、キャッサバは植えてから収穫まで少なくとも8か月程度育てないとイモが十分大きくなりませんので、収穫は早くとも来年1月以降の開始になります。

一方、収穫後の次の植え付けは4月中旬には開始が必要です。さもないと本格的な雨季がきて植え付け用のトラクターが動かなくなります。

従って、収穫作業は来年1月から4月中旬という短期間で終わらせなければならず、そのためには事前に十分な作業計画を練る必要がある訳です。

キャッサバは250ヘクタールで6,000-7,000トン程度の収量になるので、2か月半で収穫するには、1日当たり100トンの収穫が必要です。
これを毎日滞りなく行うためには、農園を一種の工場のように考えて、土の中からの掘り出しから出荷までベルトコンベヤーに乗せて行うようなシステムが必要です。

また、こういった作業を人手で行うか、機械を導入するかということも大きな考慮点です。
例えば、我々の試算では、全ての作業を人手で行った場合、毎日300人のワーカーが必要になります。
(他の日本人経営のキャッサバ農園では、昨年500ヘクタールで600人以上が必要だったとのことです。)

上は棒のような道具でひっかけて人手でキャッサバイモを収穫している様子。(代表的なやり方)

上の場合はあらかじめ、茎を切っておいてからイモを人手で収穫するやり方の様子。

上は、茎を切っておいて人手で収穫されたイモ

ただ、毎日300人のワーカーと言っても第一に現実に集められるかどうかが問題です。集められずに要員不足になると作業がその分遅れて、後工程の苗植え付けができなくなります。
また、たとえ集められても彼らを効率的に管理して働かせることができるかどうかも大きな問題です。

そのため、どうしても機械化して人手を無くしていくことが大きな課題となります。
我々は、これらを考えるために、手分けしてカンボジア国内、近隣のベトナム、タイの農園を見て回りました。

概してカンボジアは後進の為、機械化しているところはほとんどありません。一部の大農園が機械化にチャレンジしているだけです。

ベトナムは、全般に土壌が柔らかいために人手の作業がしやすく、機械化のメリットが出る大規模農園が少ないために、機械化が進んでいません。
タイでは、ベトナムより土が固く、東北部を中心に大規模農園があるので、機械を取り入れる農園が比較的あります。

そこで、我々はタイをレファレンスケースにして、機械化を考えることにして、タイの農機メーカーを尋ねることにしました。
但し、一言でタイの農機メーカーを尋ねるといっても一苦労です。

先ず、インターネットのイエローページでタイの農機メーカーを洗だします。また、インターネットでキャッサバ収穫機の記事を片っ端から抜き出して、メーカーを特定していきます。

このようにして、メーカーを洗い出したのですが、タイでは200社ほどの小さなメーカーがあり、多くは首都バンコク以外に拠点があります。
バンコクでは当然キャッサバ栽培はしていないので、バンコクには大手のメーカー本社があるだけで、そこに聞いてもトラクターに付ける備品等一般的な装置だけで、産地地元ではないので収穫機の情報は得られません。

そこで、地方のメーカーを当たる訳ですが、多くはバンコクから百~数百キロも離れた場所にあるため、簡単には訪問できません。先ず英語は困難なのでタイ語で電話で問い合わせて当たりを付けます。

このようにして、どうにかこうにかキャッサバ収穫機を持っていて、比較的バンコクから近い3社を選んで訪問することにしました。
長くなりましたので、訪問については次回の記事にします。