2014年11月1日
弊社のカンボジア東北部クラチェ州にある250ヘクタールのキャッサバ農園では、4-7月にかけて苗を植え付けました。苗の植え付けは、害虫、水害、雑草などとの戦いで七転八倒しましたが(このブログにも散々書きましたが)、何とか植え終わって一息つき、現在は雑草取りや病気を監視しながら世話をして育てている段階です。
(上は今の キャッサバ農園の遠景)
来年1月から大きなイモが収穫できるかどうかは、この時期にいかにキャッサバの成長を助け、且つ成長を妨げるものを取り除けるかにかかっています。
成長を助けるという点では、7月以降250ヘクタール全体に追肥を施しました。
また、成長を妨げるものを取り除くと言う点ですが、主な成長阻害要因は、水害、病害虫、雑草の3種類です。
先ず水害についてですが、キャッサバは3日程度水につかった状態になると、根が呼吸できずに死んでしまいます。
当農園はまだ雨季の真っ最中で、毎日のようにスコールが降ります。6,7月にはこの連日のスコールの為に
幾つか水没エリアができました。しかし、最近はパワーショベルで排水路を多く作ったために水没エリアは無くなり、水害から免れるようになりました。下は排水路掘りの様子
病害虫について。5月にはメーリーバグ(Mealybug、粉カイガラムシ)という害虫が、山積みした苗の山の中で大発生して、多くの苗を失いました。その後はその教訓を生かし、効果的に殺虫剤を使って殆ど発生を抑えています。
病気に付いてはごく一部にですが、気になる病気が見つかりました。ウィッチーズブルーム(Witch`s Broom) です。これもメーリーバグと並んでキャッサバのペストと呼ばれています。
元々木の病気で、下の写真のように枝が変形して文字通り魔女のほうきのようになってしまいます。
キャッサバでは、全体が小さくなる、葉が小さくなるという症状が出て、結果として根に十分なでん粉が溜まらず収穫量に大きな影響が出ます。
残念ながら、現時点で有効な治療法が無く、発見次第その木を焼却して拡散を防ぐしか対処法がありません。
昨年近隣のタイ、ベトナムで問題になり、今年カンボジアに入ってきて大流行となる可能性が指摘されています。雨季が終わったところで広がるとも言われており、今後警戒が必要です。
我々の農園では、スタッフに発見法を伝えて兎に角早期に発見して対応する体制になっています。
もう一つの成長阻害要因の雑草は、放置するとすぐキャッサバの背丈を超えて日光を奪うので、どうしても対処が必要です。連日のスコールの為に育ちが早く、切っても切っても生えてくるため、現在も30-40人体制で草刈に追われています。
さて、肝心のキャッサバの育ち具合は、場所によってバラつきがあります。植えた時期が早いものはやはり大きな木が多いですし、土壌や雑草の状況にもかなり左右されてしまいます。
ただ、全般的にはまずまずと言えます。中には既に下の写真のように3mになるものもあります。
イモを掘って確認してみると、ひとまずは順調に育ってきています。下は中程度の木のイモ。2kg前後です。
あと数か月で平均3kgくらいまで育つことが目標です。
来年1月の収穫まで、このような病害虫や雑草への対応を地道に続けてイモの成長を待つことになります。