2015年8月13日
昨年植え付けたキャッサバの収穫量は極端に少なかったので、今年3-4月の段階ではキャッサバ・ビジネスをあきらめる寸前まで行きました。
昨年度の低収穫量の原因は、
1.初めて大規模な植付をしたので経験、スキルが不足していこと。
2.大規模な農園の個々の部分をタイムリーに世話が出来なかった。特に雑草の対応が後手に回った。
3.雨季の連日の大雨による水害と害虫被害という自然災害が重なった。
この状況を立て直すために、今年は植付・育成方法を全面的に見直し、且つ作付面積を縮小して全体に手が回るようにしました。 無論昨年の結果から、水害を受ける場所や土壌の悪い場所もよくわかりましたので、良い場所のみを選んで植え付けました。
自分たちの実力を思い知ったので、一旦身の丈に合わせて規模を縮小し、必勝を期した訳です。
昨年は、4月初旬に雨季の開始を告げる雨が降ったので植付を開始しましたが、害虫被害等で植付作業が遅れ、そのうち6月に入ると連日の大雨でトラクターもスリップして動かなくなり更に遅れました。
そのうちに、残りの植付予定地が水没したので、パワーショベルを買って排水路を延べ数キロ堀り、8月初旬にやっと植え付けを終わりました。ところが、その間に100ヘクタール以上のエリアで雑草がはびこりキャッサバの背丈を超えて日光を遮ったために、成長が遅れました。
また、害虫被害のお蔭で苗を植えても枯れるケースが続出したが、再植え付けの為の工数が割けず、再植え付けが2か月も遅れ、おまけに再植え付け時に肥料を与えなかったために、大幅に収量を減らしてしまいました。
一方、今年はエルニーニョ現象の為に、雨季最初の雨は4月25日と、昨年より3週間近く遅れて、植付開始もその分遅れましたが、害虫コントロールが上手く行ったことと、何より面積を縮小したこともあって、何とか5月中に植付を終えることができました。
また、雑草も小さいうちにセレクティブ(キャッサバにはあまり影響せず、雑草のみに作用する)除草剤で大半を制圧することができてきました。
その結果、今年のキャッサバの生育状況は、去年と格段の違いで良くなりました。(下は最近の様子)
4月末から5月初めに植えた株は、既に人の背丈並になっています。昨年は人の背丈を越えてきたのは、雨季の終わり11月頃でしたし、その時でも大きくならない株も一定割合ありました。
また、今年は昨年に比べて茎が太く、葉が大きい、また葉や枝の数も格段に多いので、こんもりと茂った感じに見えます。
広い範囲を見渡すと以下の様です。
遠景を見てわかるのは、今年は株の大きさにバラつきが少ないことです。そのため遠景のキャッサバの様子が滑らかに見えます。昨年は株ごとに相当大小の違いがあって、凸凹に見えました。
全体の90%はこんな感じですが、一部エルニーニョ現象で雨が少なかったために、植付後10日も雨が無く枯れてしまって、再植え付けした株もあります。
昨年は再植え付け株の育ちが極端に悪かったので、今年の再植え付けも心配したのですが、枯れた2週間後にタイムリーに再植え付けしたこともあって、追いついてきました。
下の写真の白矢印は再植え付けた株です。周りに比べて明らかに葉が小さいのでわかりますが、大分追いついてきました。
植付後3か月で追肥や再植え付けも終わり、最初のヤマを越えました。あとは、毎日雑草、病害虫のコントロールをしながらイモの肥大を待つことになります。
しかし、安心もしてもいられません。エルニーニョ現象の為に、昨年より極端に雨が少なく、旱魃も想定されるからです。
隣国のタイでは広範囲に旱魃が起こり、米の凶作が伝えられています。来年2月まで気の抜けない毎日が続きます。