今年の野菜作り

2015年1月25日

弊社は、天然ゴム、胡椒、キャッサバのプランテーションを運営していますが、いずれも植えてから売り上げが立つまでに長期間かかります。最短のキャッサバでも1年がかりです。

そこで、何か日銭が稼げるものは無いかと考えて、昨年から野菜作りを始めました。
昨年は、オクラをメインに幾つかの野菜を試しに植えてみて、カンボジアの気候風土で何が育つのかを研究しました。

その結果と、商売として利益が出るものという観点で今年の野菜作りの実行計画を立てました。
企業秘密ではありますが(笑)、その一端をご紹介します。

1つ目はやはりオクラです。オクラは種を蒔いて2か月ほどで収穫ができ、その後毎日のように花が咲いて実が成り、毎日一定量収穫できます。またプノンペンで主に日本人からの需要があるので文字通り日銭が稼げます。

2つ目は、葉レタスです。カンボジアでは葉レタスは良く育ちます。葉レタスはレタスの一種ですが日本の高原レタスのように丸くなりません。良く市場で見かけますが、野菜の中では単価が高い割りに需要が多く、かなり沢山作っても容易に売りさばくことができます。

うちの野菜農園では先週から種を蒔き始め、芽が出始めました。(下の写真)

葉レタスは数日おきに少量ずつの種を蒔いていき、順次大きくなったところで毎日収穫するようにします。
しばらくこのポッドで育てて、少し大きくなると地面に移し替えます。

3つ目は、ショウガです。ショウガは3年前までカンボジアでは1kgで1ドル程で取引されていましたが、2年前に1kg=3ドルになり、昨年末から年初は1kg=5ドルまで高騰しました。さすがにこの高値は続かないと思いますが、当面供給が不足しています。

また、ある程度の量を作れば、大量に需要がある日本に輸出することができます。
それならば、誰でもが作りそうなものですが、幾つか参入障壁があります。一つはまともな利益が出る生産高を上げることが技術的にかなり難易度が高いことです。

上の写真は、重要な栽培技術の一つの肥料用のもみ殻です。これを燻して燻炭を作り、肥料の一部にします。その他、米ぬかや米藁と言った稲の収穫後に出るものが必須です。カンボジアの農家の大半は米作なので、カンボジアではこれらが非常に手に入りやすく、実はショウガ栽培に適しています。

栽培技術の点では、いかに連作を可能にするかという問題もあります。通常のやり方では連作ができないので、生産規模を拡大するためには多くの土地が必要になり、土地の単位当たりの収益が低くなってしまいます。
しかし、正しい技術を使って長年連作している農家もあって、やはり栽培技術がキイになります。

また、他の参入障壁は、種ショウガの価格が高く、栽培にも多くの人手がかかるので、栽培のコストがかなり高いことです。そのため、カンボジアで一部栽培技術を持っている農家も、それ程大規模には作付できていません。

弊社では、栽培技術を持つ専門家の指導を得て、今年1ヘクタールの栽培をして技術を身に付けます。その結果で、来年以降拡大していく予定です。

その他、かんぴょうにも取り組みます。
現在、日本で使われるかんぴょうの90%は中国で作られていますが、日本の問屋からは中国以外から買いたいとの強い要望があります。

上手く作れれば、日本で大きな需要がありますが、これが中々上手く行きません。
かんぴょうは、ウリ科で元々熱帯原産なのでカンボジアでも育つことは育ちますが、日本で食べるように乾燥させてから煮てみると溶けてしまったりします。

我々も条件を変えて試験栽培をしています。(最初に植えた実。形が悪いです。)

下は、先週ポットから地面に植え付けたかんぴょうの若葉。

オクラ、葉レタスは目途が立ってきましたが、ショウガやかんぴょうはまだまだ困難があります。しかしながら、その困難を克服すれば、ショウガもかんぴょうも大きな可能性が開けます。
今年もその可能性に夢を持って、野菜にも取り組んで行きたいと考えています。