キャッサバ植え付けの最後で最大の山場!その2

2014年7月14日

前回の記事で、キャッサバ植え付けの最終段階になって、38ヘクタールの場所に大量に水が溜まって植え付けが大きな壁に突き当たった事をお伝えしました。(地図の水色の楕円が水の溜まった場所)

地図の黄色の矢印に沿って排水溝を掘って水を川に流してしまう必要があり、苦心してパワーショベルで排水溝を掘り始めました。しかし折角フル回転で掘り始めたパワーショベルは重労働のため2日で壊れて動かなくなり、トラクターの畝作りも雨のぬかるみでタイヤが滑って進みません。絶対絶命の状態に追い込まれました。

その夜の夕食時に、私が現地マネージャーのウドム君に言いました。
「No Plant, No Harvest!(苗を植えないと絶対に収穫できない!) トラクターが動かないと高い畝はできないが、必ずしもそんなに高い畝が必要な訳ではないのでは? 低い畝ならば人手でも作れるし、キャッサバも植えられるのではないか?」

ウドム君が答えました。「今までは50cmの高い畝を作るために、3Disk耕作機を使って深く土を掘っていたために、土の抵抗が大きくてタイヤが滑ってしまうんです。25cmの低い畝でよければ7Disk耕作機で浅く掘ればできるので、今の地面の状態でもトラクターで畝が作れるかもしれません。」「実際、ベトナムでは低い畝で植えているし。」

私 「わかった。先ず7Disk耕作機のトラクターでトライしよう。ダメなら人手でも畝をつくる。」

その翌日、早速7Disk耕作機をつけたトラクターで、一部排水の終わった場所で低い畝作りにチャレンジしました。
皆の見守る中7Disk耕作機に付け替えたトラクターは地面を削って進んで行きます。下の写真の様に地面に傷を付けたような低い畝しかできませんが、結果はOK!この畝であれば十分に苗を植えられます。

そこで我々は、前日のパワーショベルの作業で一部排水路ができて水の引き始めた場所にトラクターをありったけの3台投入して畝作りを急ぎ始めました。

一方のパワーショベルの故障でとん挫した排水路作りですが、兎に角、なんとしてでも地図の黄色の矢印の長さを掘ってしまわなければならないので、人手で排水路を掘ることにしました。

狭い排水路であれば人手でも可能だし、それでもある程度は排水できると考えたのです。実際には、4人で下の写真(白矢印)のような狭い排水路を足を取られて泥まみれになりながらも2日間で掘りました。大雨が逆に幸いして土が柔らかくなり作業がはかどった面もあります。

すると、その日から見る見る水が引き始め、昨日時点で水の溜まった場所は38ヘクタールから4ヘクタールに激減しました。

ところで、最後に残った4ヘクタールから排水するためには、やはり途中に山積している廃材を取り除くためにパワーショベルが必要です。
また、今後もスコールが連日続く場合の緊急排水の為にパワーショベルを確保しておきたいところです。

そこで、パワーショベルを何とか入手できないかという方策の検討に入りました。
しかし、買えばまともなものは3-4万ドルするので資金が足りませんし、借りれば月4000ドルもするので雨季だけ借りても2万ドル近くが飛んでいきます。

ハタと困ったところでアイデアが出ました。
来年の収穫の為の費用として取って置くお金を使ってパワーショベルを買い、必要な雨季の間だけ使って乾季の収穫時期になる前に、そのパワーショベルを売ってしまい、収穫の費用に当てるというものです。

実際、パワーショベルが必須なのは雨季の間だけですので、乾季には売り払ってしまっても大丈夫です。
また、5-10年程度の中古の程度のいいパワーショベルであれば、きちんと修理してから売れば、買った値段と売る値段は近くなるので、あまりお金を使わずにパワーショベルを利用することができます。
やっと、植え付けの完了が見えてきました。