近郊農業の野菜作りを始めました。

2014年7月19日

最近は、キャッサバの話題ばかりでしたので、今回は趣向を変えて野菜作りのお話をさせて頂きます。
これまで弊社は、数十~数百ヘクタールの大規模な土地でキャッサバ、胡椒、天然ゴム等の商品作物を栽培するプランテーションの開発・運用を行ってきました。

最近、野菜作りのノウハウを持った農業の専門家の米司さんが弊社に入社されたのをきっかけに、プノンペン近郊での野菜栽培にも進出することにしました。
プノンペンでも最近需要が高まっている、無農薬有機栽培の高級野菜の栽培です。
プランテーションの商品作物は天然ゴムを除いて年に1回の収穫ですが、野菜は種を蒔いて1か月から2か月で収穫でき、毎日出荷できるのでいわゆる「日銭が入る」商売です。

これまでの大規模プランテーションで土地を入手するには、首都プノンペンから数百キロ離れた森林を開拓する必要がありました。
一方、近郊農業では大規模プランテーションとは逆に、消費地のプノンペン近郊で数ヘクタールの小規模な土地で野菜を作ります。数十ヘクタールも同じ種類の野菜を植えても需要がないので、需要に応じて小規模になるわけです。

野菜を作る土地は、プノンペンから約100Kmの国道3号線近くでプノンペンに運搬しやすい場所に定めました。
先ずは、この土地でどんな野菜ができるのかを試験栽培してみます。
小さなテストベッドを作り、小松菜、チンゲン菜、大豆、きゅうり、葉レタス、ゴマ等を少量蒔きます。

1-2週間して発芽状態や育ち具合を確認します。結果は、小松菜、チンゲン菜は葉が出たところで虫にほとんど食われてしまいました。一番育ちが良いのはカンボジア産きゅうりでダントツです。(下の写真)既に花まで咲いています。しかし、あまり高くは売れないのでそんなには作りたくはありません。

カンボジア産より高く売れる日本産きゅうりも何とか育っています。育ち方はカンボジア産と大分違いますが。

大豆も豆が大きいものができれば、枝豆として出荷できるので期待しています。今回1か月程度で下の写真の様に実ができましたが、ここで成長が止まってしまいました。この後同じ株で次々と10個ほどの花を付けて実が成っていくはずなのですが、花芽がありません。肥料をやって再テストの必要があります。

1週間前に蒔いたゴマは良く芽が出て来ていて期待できます。

ところで、この野菜農園の柱の一つはオクラです。オクラはもともと熱帯原産なので、日本の種でもカンボジアのいたるところで栽培が可能です。日本の種はカンボジア産に比べて相当に高価なのですが、味が全く違うので高く売れます。オクラは出来ることが分かっているので、試験栽培を飛ばしてすぐに本格栽培に入りました。

大型トラクターで2回耕作したところを、小型トラクターでハローして(土を細粒化して)いきます。

野菜栽培用に今回30馬力のイセキの中古を買いました。十数年ものですが、日本でもイセキがまだ作っているので、修理部品が入手しやすいのです。

ハローの後は、手で畝を作って種を蒔いて行きます。キャッサバ農園の苗植え付けが終われば、畝立て機をこちらに運んでこれるのですが、それまでは人手の畝立てになります。

はたして、1週間後ほとんど全ての種から芽がでました。

オクラは初回は0.05ヘクタール(5アール)に蒔きましたが、蒔いてから45日後に初収穫となります。今後は毎週5アールずつ畑を広げていく予定です。
また、試験栽培も続けてオクラに次ぐ第2、第3の柱を探していきます。