カンポットペッパーのご紹介

 弊社の胡椒農園もそうですが、カンポット州と南隣のケップ特別市の100件ほどの有機栽培農家で、カンポット・ペッパー協会(Kampot Pepper Promotion Assosiation)という団体を組織しています。
 この団体が有機栽培のガイドラインを定めており、そのガイドラインを順守したと認められた農園が、「カンポット・ペッパー(Kampot pepper)」のブランドを使うことを許されています。

 このように、「カンポット・ペッパー」とは、カンポット・ペッパー協会が認めた有機栽培の胡椒ですが、以下のような特長があります。

1.世界最高級の味と風味

 胡椒を大量に使い、胡椒の品質にこだわる欧米の声を代表するTIME誌も、2012年1月16日号で以下のように述べています。 
「普通の胡椒はテーブル・ワイン。カンポット・ペッパーは良質のボルドー・ワイン」

 確かに、食べていただければ一目瞭然ですが、フルーティな味とはっきりとした風味に特徴があります。
 欧米の一流フレンチ・レストランで使われており、欧米からの需要が高まっています。
 実際、昨年カンポット・ペッパー協会経由で輸出された胡椒はわずか 30トンでしたが、欧米に輸出する仲買商達からカンポット・ペッパー協会へ、その10倍の300トンの注文が殺到しました。

 この味と風味の理由は、完全有機栽培であると言うこともありますが、栽培されるカンポット州とケップ特別市の気候風土と、独特の赤黄色でミネラルを多く含む土壌によります。

2.完全有機栽培

 前々回の記事でも書きましたように、化学肥料や農薬を一切使いません。一般に化学肥料を使うと胡椒の風味に悪影響があると言われていますが、カンポット・ペッパーにはその様なことは一切ありません。
 また、消費者や生産農家への健康被害を心配する必要もありません。 

 カンポット・ペッパー協会の有機栽培ガイドラインは、100年前からの伝統農法をベースにしているので、肥料や害虫対策も全て自然のものを使っています。

 また、有機栽培については、有機認証の世界標準と言われているフランスのエコサート(ECO CERT)も取得しています。実は日本のJAS有機認証も、このエコサートを基にしています。
 下の写真、左がカンポット・ペッパーのトレードマーク。右はエコサートのマーク

3.栄光と荒廃、そして復活の歴史

 カンポット・ペッパーは、フランス植民地下で19世紀後半から栽培され、20世紀初頭には年間 8,000トンも生産されていました。これらは主にフランスに運ばれ、欧米の一流レストランで使われていました。

 ところが、1970年代のポルポト時代からの30年間の内戦で、胡椒栽培もできなくなり、カンポットの農園も荒れ果てました。内戦の終結後1990年代の後半から栽培農家がぽつぽつと戻り始め、代々伝わる伝統農法で胡椒栽培を再開し始めました。

 21世紀になってから本格的に胡椒農園が増え始め、2006年には100件ほどの農園でカンポット・ペッパー協会が組織され、欧米への輸出の基盤ができました。

 ここ数年で、カンポット・ペッパー協会経由の欧米への輸出が年々倍々の勢いで増加してきています。
 それに伴い、欧米でもカンポット・ペッパーが本格的に復活してきたことが知れて、需要も高まってきています。

 また、一昨年から日本勢もカンポット・ペッパーに着目し始め、ケップ特別市では 5-6 件の農園が作られています。下は、弊社のケップ特別市の農園

 高まる需要に対応して、カンポット・ペッパー協会の農園からの買取価格も年々上がり、この5年間で4倍に跳ね上がってきました。普通の胡椒の2倍の価格となっています。

 このように、カンポット・ペッパーは、一旦はポルポト時代に荒廃の底に沈みましたが、21世紀に復活を始めて、これから増々生産、売り上げを拡大して行くことになります。

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