カンポットペッパー農園記事(その4)

新胡椒農園の井戸堀り

 今年新たに苗の植え付けをした新胡椒農園は、カンポット州チュムキリ-郡とチュウク郡の境にありますが、8月までは水不足が大きな課題となっていました。

 この農園の場所では、昨年は雨が多かったのですが、雨季本番のの7,8月に入ってもさっぱり本格的なスコールが降らず、折角掘った貯水池も下の写真のようにカラカラの状態になっていました。

 弊社のもう一つのKep特別市の農園の貯水池は、底から湧き水が出てくるので、雨が少なくても水量が維持できるのですが、この貯水池は湧き水も無いので、こんな状態になりました。
これでは、乾季になった時に胡椒にやる水が確保できません。

 スコールが来なくて貯水池に水が不足となると、対策は井戸を掘るしかありません。
カンボジアの多くの場所では、数十メートルの地下には水脈があるのが普通です。これは地下に流れる川のようになっているので、汲み上げても尽きることなく次々に湧き出てきます。

 早速、井戸業者を呼んで地下水脈の調査をし、井戸を掘る場所を特定します。この井戸業者は自分の調査に基づいて井戸を掘り、水がきちんと出た場合のみに費用を請求するシステムになっています。

 井戸業者が掘る場所を特定して、井戸を掘り始めました。下の写真のようにコンプレッサー車と連結して圧搾空気を送り込み、主にその圧力で地中を掘り進みます。

 これで井戸を掘り始めたのですが、10m位のところで断念しました。地下に固い岩盤があって、圧搾空気では歯が立たないのです。

 仕方なく、翌日別の場所を探して掘り始めました。順調に掘り進み地下に5mほどのパイプを立て続けに埋めて行きます。30mも掘ったところで、下の写真のように地下から水が吹きだし始めました。

 パイプを押し込んでいるところから、水が圧搾空気に押し出されて吹き上がっています。
(写真をクリックするとはっきり見えます。)

 何とか地下水に突き当たった様です。後は、これが単なる地中の水たまりではなく、地下水脈であることを確認する作業です。
やり方は、ここからポンプで24時間汲み上げ続けます。24時間汲み上げても水が出てくるようなら、本当の地下水脈と判断できます。

 幸いなことに、24時間耐久テストの結果、地下水脈に当たったことが分かり、井戸として使えることになりました。
 胡椒に与える水は井戸水を直接ではなく、この井戸水を一回池に溜めて含まれているヒ素を沈殿させてから使います。カンボジアの地下水はヒ素が含まれていることが多く、現地人は誰も井戸水を飲みません。

 上の写真は、井戸水を溜めた池です。幸いなことに、十分な水が確保できて次の乾季は何とか乗り切れそうです。

 

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