カンボジアでの農地取得: 胡椒農地取得の実際 続編

2014年4月3日

以前の記事で、土地を見つけてオーナーと取得交渉に入ると、我々外国人に対しては2倍の値段を吹っかけられるので、それを防ぐために、外国人であることを言わずに先に代理人経由で手付を支払ったことまで書きました。

実は昨日、無事に売買契約を完了しましたので、今回の記事では代理人経由で外国人が高い値段を吹っかけられずに買う手順を(コメントにも具体的に書いてくれとご要望がありましたので)具体的に書きます。

<代理人とオーナーとの契約>
先ず、代理人経由でオーナーに手付金を支払い、第三者に転売する前提で以下のような契約を代理人とオーナーとの間で締結してもらいます。 その際、転売する第三者が外国人であることは伏せます。

これは売買契約書で、オーナーは代理人に対して所有地を以下の条件で売却するという主旨になっています。
-土地の広さと価格 :これが書いてあるために、価格は外国人に対しても2倍にならず固定されます。
-手付金の額
-一定期間内に残金を支払いする。支払いが無い場合は手付金を没収すること

下の方には、オーナーの指印(親指)が2人分押されます。カンボジアではこの指印が日本の実印に相当します。オーナーは、この土地を夫婦で所有しているため2人です。

また、コミューン長(Commune Chief)、村長(Village Chief)の承認印(公印)まで押されていますので、これだけでSoft Titleの所有権の効力があります。

実はこの代理人は、コミューン長、村長を巻き込んでその地域の農民を土地を大々的に売りさばいているわけです。
昨年の総選挙前に、土地紛争多発問題解決のため、与党人民党の数千人の若手測量部隊によって多くの農民に土地の正式所有権(Hard Title)が与えられましたが、各農民の持っている土地の面積は多くは1ヘクタールに満たないので、買う方にとっては数十、数百ヘクタールを買うために、多くの農民から土地をかき集める必要があります。
実際、今回の契約では16の農民の土地買い取りを行っています。

このやり方は、首長を巻き込んでその地域の農民の土地を根こそぎまとめて売る、上手いシステムになっています。

以下の写真はこの地方の土地の所有状況ですが、番号が打ってある各領域が各々の農民の所有地で、各農民が非常に小さな面積を所有していることが分かります。