キャッサバ・プランテーション開拓は、一難去ってまた一難

2014年3月27日

弊社のキャッサバ・プランテーションの方は、ブルドーザー部隊が約束した資金の範囲内ではできず、開拓が一旦止まってしまいました。そこで5000ドルの先払いをして何とか開拓を進めてきました。

<施設や開墾は順調>
その結果、開墾は順調で全250ヘクタール中200ヘクタールが終わろうとしています。
いたる所が、ブルドーザーでクリーンナップされて、下の写真のようになっています。

ブルドーザーでなぎ倒した木の木材にならない部分を集めて、乾かしたあとに燃やします。

従業員宿舎も以下のように完成し、苗の植え付け時に使う肥料も届いて軒下に積んであります。

<農地のマス目管理始まる>
(東京ディズニーランド+東京ディズニーシー)x2.5倍の広さにあたる、250ヘクタールの農地開拓を詳細に進捗管理するために、1ヘクタール単位のマス目を作って管理することにしました。つまり、全体を1ヘクタール単位に250等分して、丁寧に1ヘクタールずつの進捗を管理します。

農地は苗の植え付けまでに、開墾、トラクターによる耕作、畝作り等6段階の作業を踏みますが、各1ヘクタール単位のマス目毎にどの段階まで完了したかを管理していきます。
また、雨季に水没の危険がある場所には絶対に植えられないので、その場所もマス目の番号で管理します。

そのために、農地に1ヘクタール単位に杭を打って行きます。杭を打つ場所はGPSの座標を決めて、以下のような一覧表で管理します。

<届いたキャッサバの苗の半分が死にかけだ>
さて、キャッサバの苗の元になる茎もタイやタイ国境から続々と到着してきました。
キャッサバの苗は、収穫後の茎を30cm単位に切ったものです。植え付けとは、この30cmに切った茎を畝に20cmほど地中に挿し木することになります。

弊社は昨年の試験栽培の結果、今年はタイ産の多収量新種を植えることにしました。カンボジアの従来の品種が1ヘクタール平均20トン程度の収穫量に対し、このタイ産のものは平均30トン以上の実力があります。

このキャッサバの茎は、主にカンボジアの農業商社C社経由で輸入しました。C社の社長は、「タイ国内からの出荷前に必ずエキスパートが品質を確認して良いものを届ける。」と豪語していました。
そのために、C社のエキスパートD氏がタイ-カンボジア国境に派遣されました。

タイ国境からキャッサバの茎を運んでいる途中の35tトラックです。1台に約2000束を積みます。
こんなトラックが16台で輸送します。

運び込まれたキャッサバの茎です。これで全体の1/3、約1万束です。

トラックからの荷降ろしがやっと終わり、上の様に並べて見て、あ!と驚きました。

なんとタイからの茎の半数近くが、赤くなって死にかけています。

上の写真の白矢印の束が赤くなって死にかけている茎です。

赤くなった原因は、収穫後に直射日光に長期間さらされたためです。恐らく、タイの農園で収穫した後ここに輸送されるまで長期間放置されていたのでしょう。

しかし、C 社のエキスパートD氏がタイから運ぶ前にチェックしているはずなのに、どういうことでしょう?
現場からすぐにC社の担当役員に電話を入れました。

私: 「御社からの茎の半分が死にかけている。社長に直接説明したいし、見に来て欲しいのですが。」
C
社: 「え? 本当ですか? (エキスパートの)D氏に確認します。社長は2日前から入院中です。明日電話を入れさせます。」

私: 心中 「死にかけを送った当人のD氏に確認して何が分かる?社長もタイミング良く入院してるなあ。」

タイからの茎の半数がダメだとすると、折角の250ヘクタールの1/3には植えられず事業的には大打撃になります。
何とかC社に2、3週間以内に再送してもらうか、それがダメなら大至急別の入手先を探す必要があります。
かなりのピンチです。

1日置いて昨日やっとC社の社長に会えました。

私: 「半分死にかけたものを送った原因は何ですか?D氏が全く確認しなかったのか、D氏にスキルが無くて確認してもわからなかったのか?」

社長: 「...まあ、兎に角、代わりの茎を送るから。」
私: 「原因が分からずに送っても、また同じ問題を繰り返しますよ。」

社長: ハッとした感じで 「ご指摘ありがとう。それもそうだなあ。それじゃあ、タイ人エキスパートのY氏にタイ国内で確認させてから送ります。」
私: 「Y氏ならスキルは折り紙付きですね。繰り返さないでくださいね。輸送費はそっち持ちだから。」

ということで、拍子抜けするほど素直な社長でした。
結局、週明けに社長と担当役員がKratie州の我々の農場に来て、再送の必要数を確認することになりました。
今のところ、C社は再送に応じる姿勢を見せていますが、代わりのまともな茎が農園に着くのを見るまでは全く油断ができません。
ここはカンボジアです。。