2014年3月16日
カンボジアの農地開拓でいつも起こることがありますが、「今回は不思議に起こらないなあ。」と思っていたら、やはり起こりました。
<開発費用を使い切ってしまったんですが。。>
キャッサバ・プランテーションで、ここ一週間ほどブルドーザー・パワーショベルの稼働率が悪くて、あまり進んでいません。そこで、ブルドーザー部隊の隊長にクレームしたところ、「渡されたお金を全て使ってしまったので、ガソリン代がなくなって稼働できなくたった」とのことです。
「そんなこと早く言ってよ。なんで一週間も黙ってたの!?」という感じですね。
そこで、この土木会社のオーナーである、‘一つ星‘の将軍様(准将)にクレームしました。
我々 「契約書に書いてあるのだから、その通り責任を持ってやってください。」
将軍様 「え?分かりました。もう少し待ってください。ガソリン代を借りてきてやりますから。」
どうも現場の隊長から、話を聞いてなかったようです。カンボジアで特に不足しているのは、まともな中間管理職ですが、ここもご多聞に漏れないようです。
しばらくして、
将軍様 「ガソリン代が手当てできないので、前払いで5000ドル貸してください。」
通常は、この場合はカンボジアではブルドーザー部隊の会社は、逃げてしまいます。
但し、うちのケースでは、このオーナーは実はこの土地のオーナーでもあるので、逃げられないので泣きついてきたわけです。
我々 「自分で工夫してガソリン代を調達してください。(高が5000ドルでしょ。)」
将軍様 「折角、オタクのために頑張って開拓しているのに!」と怒り、逆切れです。
私が弊社のVP M氏に向かって「ビジネスで逆切れとは、子供並だね。」
「一応、カンボジアでは偉い立場の将軍様なんだけどなあ。。」
M氏 「基本的に子供なんですよ。5000ドル借りるために何を譲歩して交渉するのか、その知恵がでないので、我々が教えるしかないんですよ。」
私 心の中で 「カンボジアにきて1年足らずなのに、やけに大人の発言だなあ!」と感心のあまり、
「わかった、それじゃあ、5000ドル貸す代わりに、50ヘクタール土地を余計に無料で貸してもらおう!」
ということになり、(足元を見て)その線での交渉になりました。
このように、土木工事を頼んだ場合、カンボジアでは最初の契約額の1.5倍~2倍、3倍かかることが普通です。従って、私も今回こういうトラブルを予期していました。
<政府事業でも全く同じ>
この1.5倍、2倍、3倍は当たり前は例えば、民間だけではなく、政府の事業でも同様です。
数年前に、フランス統治時代の鉄道を改築する大規模な鉄道工事がありました。
確かアジア開銀がお金を出したと思いますが、何故か(事情は多分に想像できますが)工事が半分も終わらないうちに、予算を使い切ってしまいました。
カンボジアでは当たり前のことなので、カンボジア政府が「予算が足らないので、お金をください。」とアジア開銀にねだったそうです。
が、当然、「ふざけんな!」と言われて仕方がなく、レールはそのままで工事を終わりました。
結果として、レールは第2次大戦前の非常に狭いままで、そのためにまともにスピードが出ず、事実上全く使えない。事実カンボジアでは鉄道はほとんど使われていません。
<追記>
将軍様と交渉した結果、5000ドルを前払いする代わりに、無料で50ヘクタール余計に貸してもらうことになりました。
将軍様がカシュウナッツを植える予定だった更地も含めての大盤振る舞いです。
我々が借りた250ヘクタール中で、回りよりも低地のため水の被害がでそうな場所への植え付けを止めて、その分を余計に借りる場所に植え付けることにします。